米田家映像館







Lolita



Directed By
STANLEY KUBRICK
Screenplay By
VLADIMIR NABOKOV
Starring
JAMES MASON
PETER SELLERS
SUE LYON

 

Featuring Stanley Kubrick

こうタイトルに書いておきながら、友人に貸したDVDがなかなか帰って来ず、ピーウィーなんかを紹介してしまいましたが、やっと帰ってきました。
 でも帰ってきたのは半年前。長い間更新されなかったのは彼のせいではないことを付け加えておきましょう。

キューブリックの作品は、遺作となった「アイズ ワイド シャット」を含めて、実にワンパターン。
 たとえ犯罪者であっても、その人間にとっては平凡な毎日があり、その生活と人間性をまづ見せられるわけです。
 それが何らかの外的要因によって狂わされ、狂人へ変貌していく姿を描く...そんなところです。
 ま、要するにこの作品は

 何の問題もない普通のおぢさんが可愛い少女に惹かれて、堕ちていく

 という映画なのです。わかりやすい。
 でもこの作品は、「ロリコン」の語源にもなったウラジミナール・ナボコフの原作を知っていたら、衝撃的であろうラストシーンを冒頭に持ってくるという、大胆な試みを見せてます。流石、芸が細かい。

 主演はその「ロリコンおやぢ」である、ジェームズ・メイスンなんでしょうが、いやいや、そのライバル「クィルティ」役のピーター・セラーズが食っちゃってます完全に。
 後のキューブリック作品「博士の異常な愛情」で主役を張る彼ですが、その怪優ぶりは素晴らしいものがあります。

 大まかなストーリーとしては彼らが1人の少女を巡って敵対するわけですが、見れば見るほど彼らの俳優としての能力を競い合っているようで、例によって原作には忠実ではないにしろ、そのやり取りに妙なリアリティを感じてしまいます。
 「アイズ ワイド シャット」では本物の夫婦を主役に据えたりもしてましたが、この辺実に絶妙なキャスティングで俳優の演技以上に「人間性」を引き出しているようです。よって「狂気」もよりリアルに観るものに伝わるわけです。

 この作品を観て、「ロリコンおやぢ」の切なさを我が身のように感じてしまうのは、自分が「おやぢ」になったからではなく、
キューブリックの才能によるものだということを、理解していただきたいところです。

 





PEE-WEE HERMAN IN
PEE-WEE'S
BIG ADVENTURE




Directed By
TIM BURTON
Starring
PEE-WEE HERMAN

 

8月25日...この日をどんなに待ったことか。
 給料日の話ではありません。ピチピチのグレンチェックスーツにつんつるてんのズボン、赤い蝶ネクタイが超イカすピーウィー・ハーマンがDVDで復活する日だったのです。

初めてピーウィーに出会ったのは学生の頃。この時は後頭部を鈍器で思いっきり殴られたくらいのインパクトがありました。
 今回の復活で初めて彼を見たとすると「ビーン」とカブる可能性が高く、そこまでのインパクトはないかもしれませんが、それでもピーウィーは強力です。
 この作品を改めて見て思いましたが、「ビーン」のキャラクターはピーウィーからおいしい所をパクってできているような印象さえ受けました。

ストーリーは「ピーウィーが命よりも大切にしている赤い自転車が盗まれてさぁ大変。自転車を探しに大冒険が始まった。」というもの。可愛らしくかつわかりやすくてサイコーです。美術や小物も今見てもなかなかおしゃれ。
 ただ中途半端(今では)なSFXが所々に見られるのが若干マイナスポイントです。15年前の撮影なので仕方ないのですが、いっそ無い方がよかった。どんなものかはティム・バートンの最近の作品を見れば大体想像が出来るかなぁ。

ピーウィーの作品はまだあるので次のリリースがすっごい楽しみですが、「ビーン」みたいにブレイクしてしまったら性格上引いてしまうかもしれません。
 でもやっぱり愛すべきキャラクター。

 街でこんな人を見かけたら絶対に近寄らないと思いますが。

 





THE SHINING



Produced and Directed By
STANLEY KUBRICK
Based on The Novel By
STEPHEN KING
Starring
JACK NICHOLSON
SHELLEY DUVALL

 

スタンリー・キューブリック監督作品の中で一番に推したいのがこの「シャイニング」です。
彼の作品では一般的に「時計じかけのオレンジ」と「2001年宇宙の旅」の評価が高く、逆に「ジャック・ニコルソン(お客様だよ!)の演技が大袈裟だ」などイマイチ評価の低い映画です。
もし同じように"イマイチ"と思っているならば、もう1回観てみませんか。評価が変わるかもしれません。

とにかくこの映画は素晴らしい。何が素晴らしいって、どのカットを見ても完璧の一言。前後を見ずに1カットだけを見ても作品に引きずりこまれそうな位です。
あのニコルソンが50回も同じテイクをやり直させられたというのもうなずけます。
 キューブリックはカメラマン出身ということで、どの作品でも素晴らしいカメラワークを見せてくれますが、この作品ではスティーブン・キングのホラー小説という題材を与えられてそれが存分に生かされてます。

そして物語の舞台となるオーバールックホテルのセットがまた恐ろしく完璧。外観、ロケーション、客室、トイレ、インテリア、何から何までキューブリックのセンスの塊。降り積もる雪の量まで計算されています。これだけで恐怖。

俳優もいいですよ。ニコルソンの演技については今更説明する必要もないですが、彼に負けず奥さん役のシェリー・デュパルが楳図かずおの漫画に出てきそうな顔と演技で恐怖を煽ります。
そして子供のダニーはめちゃくちゃかわいい。今はもうオッサンになってるんでしょうが。

この作品の逸話として有名なのが原作者のスティーブン・キングとの確執ですね。
キングがこの作品に納得せず、自分の製作総指揮で作り直したといわれる"シャイニング"も観てみました。
 そりゃあ怒るわなぁ。ストーリーからして全然違うもんね。
でもキューブリックがそうした訳もなんとなくわかる。キングの"シャイニング"は全然面白くなかった。
ダニーはブサイクだし、セットはセコイし、5時間もあるし、途中で寝てしまいそうになりました。
 あのスティーブン・キングを敵に回してまでも入れ込んだ結果、"シャイニング"はキング小説の映画化ではなく、一つのスタンリー・キューブリック作品として世間では認められているんではないでしょうか。

ちなみにDVDにはキューブリックの娘さんが撮ったメイキングシーンが収録されています。
めったに見れないキューブリックの素顔や疲労で倒れるデュパルなど、これも必見です。

 

 

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